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  芸術家の住む150歳の家  
                    日本の住まいを考える  
                            ー  築150年の家に住むことのすばらしさ  ー  
〜江戸時代の匠の技を平成の匠が生かす〜
古き良きものを愛おしみ、大切に残していきたい。そんな施主の心を大工さんがしっかり受け止めて、造られた住まいをご紹介します。

桜花満開の麗らかな春の日、山口市大内長野、大内氏ゆかりの長野八幡宮近くにある『陶花房』を訪れました。

『陶花房』とは、江戸時代に建築された自宅に陶芸工房を構え、住まいの一部をギャラリーとして活躍しておられる陶芸家永地博正さんのお宅です。

現在の『陶花房』は1998年(平成10年)に陶芸家である施主と、奥様の裕子さんとの設計提案を、地元の匠により施工。

江戸時代と平成時代の木材が同居する住まいに完成しました。

150年前に建てられたときに使われた木材は、雨がかかっていない部分は全く傷んでいなかったそうです。それを大工さんに一本一本丁寧に解いてもらい、使える木を選んでもらった。新しい木材は阿東町の川田材木店で製材した県産の松と桧が使われています。

玄関を入ると、いつお伺いしても季節の花が迎えてくれます。

日本の移りゆく季節と潤いのある時間を大切にされる奥様の心がリフォームのコンセプトとなっています。

写真について
黒い部分…江戸時代の木材
平成の木材は無垢材で使用

古い処は古いまま残し、新しいものは無垢材そのままで使ったのよ。
新しい部分を黒く塗り、わざと古民家風にはしたくなかった。
古い木材は江戸時代、新しい木材は平成、それが同居しているのが面白いと思うし、リフォームのテーマでもあったの。

新しいものは堅い、でも、古いものには包容力があり柔らかさもあり好き、だから、それを生かしたいため、少々無理矢理造ったので無駄な空間や、使い勝手の悪さもあるけれど、主婦としてそれもすべて引き受けました。

建具も昔のものを洗い直して使ったの、昔の建具は丈が少し低いけど、それでも使いたかった。

ぐるりと見渡せる処で育った作物を食するのが健康に良いように、木材も同じ理屈と思い地元の木を使ってもらったのよ。

燃やさない、捨てない、使えるものはすべて使う…。環境に負荷をかけないリサイクルの家が造りたかったの。
古い家に住んでいる人は、ぜひそうして欲しい。
 

玄関を入るとすぐ右側にはサンルームに続く格子戸がある。(昔のものを使用)
冬寒いので、格子の中にはガラスが入れてある。

サンルームはかっての縁側部分に座敷の一部を取り込み、天井も吹き抜けで広い空間に。

 

 

このサンルームは床が低いでしょう。
ここに座って庭を眺めるのに、調度よい目線になるよう、できるだけ低くしてもらったの。(棟梁曰く、これ以上下げると湿気が上がるからダメだよ)

このフローリングは、川田材木店で長い間天然乾燥してあった桧の厚板を使って、無垢のままで仕上げてもらったの。汚れれば、そのまま付き合っていきたい。

棟梁曰く、ここは、板が厚いから根太を使わずに張ってある。

丁度帰宅されたご主人が、床板の厚さは45oあるよ、歩くとその厚さを足で感じるよ。と、かなりご満足。
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